空姐专用厕所

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空姐专用厕所
空姐专用厕所客机的客舱里通常设有一间空姐专用的厕所。厕所内放了一个作为马桶使用的器具奴隶。 飞行前,空姐专用马桶奴隶与乘客用马桶奴隶一样都要换新。 使用完毕的马桶奴隶一般洗净后再使用,如果认为某奴隶不再适合当马桶奴隶就将它废弃为家畜奴隶。 但如果这类奴隶在作为马桶被女性使用的期间从未使女主人不愉快而且牙齿齐全, 则可提升为较高的奴隶等级。那一天,一个从笼子里放出来的马桶奴隶被分配到空姐专用厕所里。飞机起飞快一小时了,那个奴隶始终面朝厕所门跪在地上。由于航班调配不当,奴隶已经关在笼子里待机两天多了,期间滴水未进,喉咙已经干得快起火了。 就在这时,厕所的门打开了,一位空姐走了进来。一双低跟女鞋和皮鞋上的黑色联裤袜映入奴隶的眼帘。 空姐用皮鞋的尖端轻轻踏了一下奴隶的头颅,这是要用奴隶的命令。奴隶用没有牙齿的嘴里说了声“对不起!”,就跪立着仔细将空姐的裙子和内裤脱下来。 然后将脸埋进空姐微微分开的大腿之间,张开嘴紧紧地贴了上去。奴隶抬起头,目光正与空姐相遇。 到底是空姐,看她鹅蛋形的粉脸多美呀,大概有27~28岁?正当他欣赏空姐的美色时,空姐憋了两天的尿液猛地一下喷入奴隶口中,奴隶口干舌噪的嘴里立刻注满了新鲜的圣水,他骨碌骨碌拼命将尿液咽下去,不敢泼出一点儿,否则的话不知要用什么恐怖的方法杀他呢。 空姐排尿结束了,不用说奴隶必须用舌头舔干净她的阴部。在这期间,空姐一手叉腰一言不发地注视着奴隶工作。 用这种马桶奴隶的舌头揩屁股本是理所当然的事。奴隶的口舌侍奉不久就结束了,他从空姐的裤裆里抬起头来,小心翼翼替她将内裤和裙子穿好。 奴隶重新面对着厕所门跪在地上。 空姐轻轻打开厕所的门,走了出去。过了约30分钟,厕所的门又打开了。 “抬起头来,本小姐要用你!”奴隶在头被踏的同时听到头顶上空姐的娇声。 (听呀,女主人同我说话呢!)奴隶受宠若惊感激涕淋地应了一声:“哈伊!”,抬起头来,跪立着。 空姐猛地一把揪住奴隶的头发将他的脸翻过来。 奴隶的视野里出现了空姐穿制服的隆起的胸脯,越过胸脯一眼瞥见了一个美丽的脸庞。 整齐的短发和细长秀丽的凤眼给人留下深刻的印象。年纪大概20刚出头,是一位美女。 奴隶为即将做如此美的女人的马桶而感到兴奋大概是新来的吧,不然的话怎么会同自己这么卑贱的马桶奴隶说话呢? 奴隶心里猜想。“全部喝下去,一滴也不许泼出来!听懂了没有? ”空姐用严厉的口吻说。 但对于不断被女人当马桶使的奴隶来说,这种声音竟像仙女的声音一样美。 “哈伊!奴隶听懂了。奴隶一定拼命为女主人服务。”奴隶笨拙的言语逗得空姐张开薄施胭脂的小嘴笑了。 “那好。怎么你没有牙齿?不过作为马桶奴隶来说这倒更方便。成为马桶奴隶几年了?” “唔……已经20几年了。” “真的?不管怎么说你是一个优秀的奴隶。因为马桶奴隶哪怕一次将尿泼出来就要立刻处死的。 ” “谢谢女主人指教,奴隶不胜惶恐,” “那么,好好干吧。要知道没有被杀平安度过一生的马桶奴隶只有10万分之一啊。” “是的。” “好了,废话少说,开始做本小姐的马桶吧!”奴隶一面说了声:“谢女主人!”一面向往常一样仔细将空姐的裙子和内裤褪下来。与马桶奴隶说话不过是这位空姐感到无聊时打趣而已。 一出厕所门早将那个马桶奴隶抛到九霄云外,但空姐的话却深深印在奴隶的脑子里使他终身难忘。然而,这个奴隶也象他的大多数同类一样没有平安度过一生。 几天后的一个航班当他再次充当空姐的专用马桶时因一时失态20几年的努力全部白费了。那天用他的是一位长发披肩的秀丽的空姐,她长着玉一样光滑洁白的肌肤,脸上薄施粉黛。 她像往常一样用玉脚踏了一下他的头,然后按步就班地接受他的侍奉。起先空姐奔流的尿液倒是源源不断地灌进了他的嘴里。 可是忽然一下子尿液中断了,当她再次将尿液灌进奴隶的嘴里时,正好遇到奴隶在换气,结果奴隶忍不住就呛得咳嗽起来。尽管圣水没有咳出嘴外,可是女主人觉得咳嗽声音难听,于是这个马桶奴隶就犯了与将尿液泼出嘴外的同样的不可饶恕的重罪。 “你这个家伙,知道自己犯了什么罪吗?”空姐杏眼圆睁地望着踩在脚底下的奴隶。 “哈伊?”奴隶惊惶失措地回答,他只能这样说。 “如此不懂规矩的马桶奴隶该怎么处置?” “哈伊?唔…唔…大概是处死吧。” “好,等航班结束就处死你!”空姐的一句话决定了马桶奴隶的命运。(饶了我吧,求您了,求您就绕我这一次!)马桶奴隶的话已经涌到喉咙口,可是看到空姐凌厉的目光吓得浑身发抖,这样的话终于没有说出口。 航班结束后,我与其他空姐商量一个杀你的方法,你等着吧!不久空姐若无其事地打开厕所的门走了出去,留下马桶奴隶绝望地在厕所地上撞头。 航班结束后,乘客下了机,机舱里一片宁静。不一会儿,厕所的门开了,是刚才那个用他的空姐。 那空姐一言不发揪住他的头发往外拖,一直拖到机内通道上的一个开阔处。奴隶趴在地上,眼前交叉晃动着被紧身裙裹着的丰满的女性臀部。 通道上站着5个年轻漂亮的空姐,她们脚踩着跪在地上缩成一团猥琐不堪的马桶奴隶,形成美与丑的鲜明对照。“你们说哪种方法杀他最合适?”其中一个空姐淫邪地笑着注视着地上的奴隶。 “饶了我吧,饶了我吧!”奴隶用没有牙齿的嘴拼命哀求,空姐们用玉手反复抽着他的耳光。“哎呀,这样打他不是玷污了小姐们洁白的玉手吗?他同厕所的排水沟一样脏,体内贮满了粪水。”一位路过的空姐劝住道。 “那么就用脚踢他,用屁股撞他。”一位空姐露出洁白的牙齿笑了笑,然后飞起一脚往他脸上踢去。奴隶发出痛苦的悲鸣声。 另一位空姐猛地一屁股坐在他的脸上,堵住了他的呼吸。奴隶意识模糊起来,身子渐渐不动了。 空姐见状连忙抬起屁股,又一位空姐飞起一脚踢了上去。“妈的,总是向死猪一样躺在地上,奴隶应该始终跪着才像话。” “哈伊?”奴隶忍着疼痛挣扎着爬起来跪在地上。 “将他卖给家畜奴隶市场,你们看怎么样?”一位空姐用脚踏着奴隶的头说。 “好主意!”对一个马桶奴隶的处罚就这样决定了。 当奴隶哭着叫着被女侩子手关进待宰的笼子里时,他的脑海里一直浮现着上次航班与他说话的那位空姐美丽的倩影。 他愿意被她杀死被她吃掉。可是这是由不得他的。 几天后,奴隶已经变成挂在肉摊上的肉。几天后,奴隶已经变成挂在肉摊上的肉。 又过了几天,他的肉已经全部被女人们吃进肚里。他生前是女人的尿粪处理设备,死后自己也化为女人的尿粪池。
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Re: 空姐专用厕所
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そっと貴女のお尻の下において下さい
小さい頃から迷い、悩んできた自分の性癖と現状報告など、綴っていきたいと思います。 精神の未発達な方、未成年の方にはショッキングな内容がありますので、読み進まず、ほかに移ってください。 成人の方で、コメントを頂ける方は是非書き込みをお願い致します。 男性優位の性行為になじめず、女性との交際に踏み切れないm男さん、普通の性行為では膣内射精ができずに焦っているm男さん、いろいろ相談にのりますよ。 きっとうまくいきます。
夜の新宿マゾ地獄
2013/11/07 18:52:26 趣味
 たぶん、昭和50年代初頭の作品と思います。



女王様から黄金拝受して窒息死した事件で、女王様役の女性が過失致死に問われた裁判があったような気がします。



小説を読むと検事の言動がおちゃらけていて、リアリティが落ちますが、その辺はご勘弁をというところでしょうか。



証人尋問を見たことがありますが、非常にしつこく、何度も同じ事を尋ねてきますね。



返答のぶれを誘おうとしているのでしょうが、そこまで突っ込んでくれたらもっと良い作品になったでしょうね。



「貴女のS性とは何ですか。」



なんて概念的なことから、お聖水を与える細かい心模様など、多角的に追求して欲しいですね。そうしないと女王様/m男の関係など絶対に理解されませんね。



千春さんの女王様としての威厳は専属奴隷がほかの女の黄金を食べてしまったことで砕け散ってしまいました。千春さんは際限がないから黄金プレイはしないと言われましたが、際限がないのではなく、黄金プレイをしてしまうとその先が無く、奴隷にとって自身がただの黄金製造器になってしまうことを怖れたのではないでしょうか。



このお気持ちはm男ながらよく分かる気がします。



折角だから、弁護士先生を千春ママとほかの女性達の便器として一晩使って今後の弁護士活動に役立ててもらったら良かったのにと思います。



流しの順さんはこれから千春ママの専属奴隷として生きていく訳ですが、早く黄金を頂くことを勧めますね。さもないとほかの女性から食べさせられてしまいます。







夜の新宿マゾ地獄
北林 一登 作
春川 ナミオ 画



1 臀下死
 「本件を事故死と見るか、意図的な殺人事件と見るか、あるいは過失致死罪に該当すると見るかは、非常に微妙な所であると考えるのであります」
検事は冒頭にこう切り出すと、ここで一寸一息入れるように大きく息を吸った。
東京地方裁判所、第二十四号法廷は、今検事論告が始まり、裁判官席は勿論、被告、弁護人側、傍聴席もしんとして水を打ったように静まりかえっていた。
「被告、浅野千春の供述によりますと、昭和O年○月0日、午前一時頃、彼女は被害者、増山謙治五十八歳とともに、クラブ・クィーンを出たのであります。
そして同クラブがその一室を借りている雑居ビルの地下室の一室で千春は被害者に暴行を加え、死に至らしめたのであります。
 ところが、浅野千春の申立てによりますと、彼女と被害者とがその日、このビルの地下一階で行なった行為は、暴行ではなくSMプレイであったと言っております。
浅野千春は現在二十八歳、新宿区○○町○○番地において、クラブ・クイーンなるSMクラブを経営しております。
この種のクラブは、最近とみに増え始めた異色のクラブでありまして、彼女の美貌と才気にょって、当店も相当に繁盛していたように思われます」
被告席の千春は、堅物の検事に似合わず、論告の中で美貌だの才気だのと言ってくれたので、少し頬を上気させた顔を検事のほうへ向けた。
窓から入る午后の陽が、白い彼女の顔に斜めに当たると、神々しい程に美しい千春の横顔が浮かび上がってくる。
傍聴人席にいた流しのギター弾き、氷川順一は、その千春の顔をうっとりと見つめて、まじろぎもしなかった。
「当夜の被害者・増山謙治もクラブ・クィーンの常連でありまして、強度のマゾヒストであったと彼女は主張しております。
さてクラブの中におけるSMプレイには、限度がありますので、
いわゆる常連客に対しては、ママの浅野千春がこのビル地下室を使
って特別サービスとしてのSMプレイを行なうのが常であったと言
うことであります。このことは、従業員ホステスや他の常連客から
の証言でも認められる点であります。
当夜は、二人共、既にクラブの閉店まで飲んでおり、相当に酩酊
していたらしく思われます。
もつれるようにして、地下室に入った二人は、まず増山兼治が、千春によって、手足を背後で一カ所に結び合わせる、いわゆる”えび縛り”と言う方法によって緊縛されました。
千春の供述によりますと、増山はこの形な形で縛られ、苛められることを非常に悦ぶ癖があったと申しております。彼女は自分は着衣のまま、このえび縛りの男を足蹴にし、革鞭で打つと言うような方法により、約二十分程プレイをした後、被害者自身の要求によ
り、彼女の尿を飲ませるために、増山の顔面に自分の下半身をのせて放尿したのだそうであります。
放尿が終わり、プレイも一段落と言うことで、増山謙治は千春と別れ、路上に出たのでありますがその帰路の途上において、彼は突然苦しみ出して悶絶、死亡したのであります」
被告席の千春は、さすがにこのような場所で、SMプレイの内容をあからさまに言われるとは想像していなかったらしく、羞恥に下を向いてしまっていた。
順一には、その様が何とも又、美しくも尊いものに思われ、キリスト教の殉教の美女や魔女裁判の犠牲になった乙女に寄せるような放愛のまなざしで、じっと見つめていた。
「本件は、私が冒頭述べましたように、単なる事故なのか、過失致死なのか、殺人なのか、考えるようによっては、いずれにもとれる事件であると考える次第であります」



2.弁護人陳述
 検事論告が終わると、弁護人席から五十二、三歳の中年風采の上がらない木山弁護士が立ち上がり、陳述を始めた。
「検事は本件に対して、先ず事実のみを陳述すべきでありますのに、考えられる三つのケースと言う形で、裁判官に予見を与えようとしているのは承認出来ません。
本件は事故か過失致死か、あるいは殺人かなぞと言う問題ではないのであります。
被告浅野千春こそ本件に心ならずも捲き込まれた被害者と言ってよいでありましょう。
増山謙治は、近頃血圧が高く、心臓に持病のある病弱体質でありました。これは提出済みのかかりつけの医師の診断書で明らかな通りであります。
しかし幼年の頃より、このマソ行為に強い憧れを抱いていた本人は、浅野千春と言う稀代の美人をプレイメイトに得て、ハッスルし過ぎたと言うのが、この事件の真相であります。
この種のプレイは、一種の刺戟行為でありますから、回を重ねる度により強くより激しく求めるのが普通なのです。
増山謙治の場合も例外ではありません。
彼は浅野千春に対して、涙を流さんばかりにして激しいプレイを求めたのです。
しかし彼女も理性を持ったしっかりした女性であります。客の要望と言えども、常識の範囲で対処してやっていたに過ぎません。
なるほど、おもちゃの革鞭で打ったでしょう。大人の玩具屋には、そのような鞭が売られているのは常識です。
また、顔面騎乗位はしてやったでしょう。
しかし、これとても増山の強い希望があったればこそです。
彼は昂奮したのだと思うのです。
M傾向を有する男が、美しい女性に跨がられて放尿されると言う図は、生涯を賭けてもいい程の強い願望なのです。
増山謙治の脈拍は、異常に早くなり、心臓を圧迫したのでしょう。
しかしこれが浅野千春の罪でしょうか。若し彼女に罪ありとすれば、その美しさの故でありましょう。
これは単なる事故死であります。
世に腹上死なる幸せな死にかたがありますが、それと全く、同類の死であります。
腹上死の場合、相手の女性は殺人罪に問われるのでしょうか。否であります。
増山謙治の場合は、腹上死ならぬ臀下死でありまして、彼の場合、このスタイルが彼の性行為における正常化なのです。
五十八歳と言う年齢。
心臓病と言う持病、SMプレイへの極度の愛好症等を考えますと彼の死は、事故死であり、彼にとっては最高に幸せな死であったと考えます。
草葉のかげで、増山謙治はきっと浅野千春に感謝していることでしょう。
賢明なる裁判官は、浅野千春に無罪を宜告されんことを切に要望する次第であります」



3.異様な私刑を目撃・
 次に弁護人側証人として、流しの氷川順一が証人台へ上がった。
「それは深夜の午前一時頃のことでした。流しの歌手をしていた私は、二人の男女がもつれ合う姿を見て、ぎぎょっとして立ち止まりました。夜の新宿の盛り場です。しかも酒場がいくつも同居している雑居ビルの地下の空室になっている一室です。そう言う場所で、男女がもつれ合っていることは、珍らしいことではありません。しかし私が驚いたのは、その男女のもつれ合いかたなのです。女が一段高い場所に位置して、いきなり男の頬をピシャッと叩き、男が一寸ひるむ隙に、尖ったハイヒールの先端で、男の股間をグンと蹴上げます。男がその部分を抑えてうずくまると、上から頭を撲る、空手チョップを加えます。そして縄で男の手と足とを縛りあげてしまいました。それも女は二十七歳前後の、夜目にも美しいバーママ風の女であり、相手は五十歳過ぎの重役タイプの男なのです。男は大した抵抗もせずに、女に縛られていました。二人とも、相当酒に酔っているらしいことは判ります。しかし、これはどうしたことでしょうか。私は、助けにゆくべきかどうか迷いましたが、しばらく物蔭から様子を見ていることにしました。逆に男は、仰向けにコンクリートの床の上にダウンさせられて、その顔の上を女のヒールが、こずき回します。鼻血が出たのでしょう、顔の下半分が赤く染まりました。まるでやくざのリンチのよう
でした。
「判ったかい、お前なんか私に勝てゃしないんだから……」
女がハアハア息をはずませながら言いました。
「二度とあんなことを言ったら承如しないからね」
男はもはや戦意を失ったように、女のなすがままになっていました。
「今夜は、生命だけは、生命だけは助けてやる。その代わり、こうしてやるわ」
女がパッと長いドレス様のスカートをめくって、彼の顔面に向かって激しく放尿しました。水流が男の顔面の血を洗い流して、コンクリートの床にしみ込んでいきました。大分溜っていたのでしょう。相当量のおしっこが、男の顔面、目、鼻、ロ、耳と注ぎこまれ、又ネクタイやワイシャツ、背広等を汚して流れていきました。女は放尿を終えると、パッと立ち上がって、もう一度ハイヒールで男の顔をゴツンと蹴とばして、その場を離れていきました。薄暗い照明の中で、白い美しい顔と、豊かなバストが印象的でした。
「お客さん、大丈夫ですか。怪我はありませんか?」
女がいなくなると、私はすぐに男の側へ走り寄りました。男はまだ目が開けられないらしく、じっとそのまま横たわっていたのですがそのうちに、よろよろと立ち上がりました。
「いいんだよ、何でもないんだ。何でもないんだから……」
そういうと、ハンカチで顔の血やおしっこや泥を拭きながら、階段を上がって表へ出ていったのです。女が入っていったのは、そのビルの地下の二階にある「クィーン」と言うバーでした。私はそくぞくするような好奇心にかられて、その店の前に立ちました。暴カバーなのだろうか? しかし普通暴カバーは、女が誘い込んで高い金をふっかけるが、払えない客や、文句を言う客に暴力を振うのは、男のやくざや暴力団だと聞いています。今のシーンのように、女が暴力を振うなんて、あまり聞いたことがありません。しかもあの女、およそ暴力を振うような凄い女とか、大きな女子プロレスみたいな女と言うわけでもないのです。更に不思議なことは、やられたお客が、一向に口惜しそうな顔とか、激怒している表情とかを見せないことでした。いやむしろ、嬉しそうな顔と晋うか、強いて言えば恍惚と言った様子をしていたとさえ言えます。私は思いきって、バー『クイーン』のドアを押して中へ入ってみました。
「えー、流しですが一曲いかがでしょうか」
内部はそれ程広くはない。ごく普通の酒場のスタイルです。只ひどく変わっているのは、客の坐るような場所に、ホステス嬢達が坐っていて、男は床の絨毬の上に正座していることでした。私は一瞬、これはホスト・バーかな、と思いました。しかしホストクラブでも、こんな恰好はしていないでしょう。先刻の女性は、これら三人程の女性の中で、一番美しく、嬌慢であるように思われました。
「坊や、あんまり見たことがない顔だね。新顔かい?」
「この辺は初めてなんです」
「まあいいや、二、三曲弾いてごらん。気に入ったら、こいつらに金を払わしてやるよ」
こいつらと言われた男客の頭を、そのママらしき女性は、ゴンゴンと爪先で蹴りました。
「では、御注文は?」
「「昔の名前で、出ています」がいいわ」
一人のホステス嬢が言ったので、私はすぐにギターを抱え直して、歌い出しました。歌いながら、じっと目をこらして周囲を観察しました。店の壁には、女が鞭を振って裸の男を打っている絵が、大きく壁画のように飾られています。又店の一隅には、本物らしき
革鞭や手錠足錠、首枷なぞが、無雑作に置いてあるのです。ホストクラブではなくて、噂に聞いたことのあるSMクラブかと鈍感な私でもやっと呑み込めてきました。男客の一人は、ママの足の爪先きを口に含んでしきりと舐めているし、ある客は上半身を裸にされて、上に灰皿を置き人間机のような恰好で、女性に奉仕しています。その異様な雰囲気は、私のような経験の乏しい者には、ただ驚きでした。私はその妖しいムードに酔ったようになって歌い続けました。後で知ったのですが、ここのママは千春と言って絶世の美人と言っていいでしょう。顔に少し剣があるものの、それが又、美しさに一種凄みを加えているのです。私が日撃したリンチは、彼に対するママの一種のサービスであり、あれで客は喜び感謝して帰るのだと言うことを知ったのは、大分後になってからです。
「お前、見たんだね」
ママが歌い終わった私の側にやって来て、じっと私の目の中を見つめた時。私は蛇に見つめられた蛙のように、身動きが出来なくなってしまいました。ママの白い手が、弘の顎を一寸持ち上げたのです。
「ええ、済みません」
「それで、どんな女なのか好奇心にかられて入って来たんだろう」
「……………」
ピシャッ! 私の頬は相当な力で引っ張たかれました。女の小さい手で打ったのですから、それ程痛くはありませんが、私はその音と衝撃でびっくりしました。
「許して下さい」
「お前も、あんな目に会いたいかい」
「いえ、僕は……そのう……」
「こっちへおいで」
彼女は私の耳を、ぎゅっと引っ張ると店の奥の一室へ連れこみました。

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4.白魚の指・



 その部屋は、SMプレイ用の個室とでも言うのでしょうか、手錠などが吊り下がっていて、私は何なく両手をその手錠にピチンとはめられてしまったのです。その間、私は全く抵抗もせず、その気にもならないと言った一種異様なムードに引きずられていったのです。催眠術にかけられたと言うか、夢遊病にかかっていたと言うべきか判りませんが、何となくそんな状態になってしまったのです。それからの一時間。ママの微妙な責めと擽りとで、私は死にたくなる程の悦楽の淵をさまよい歩かされたのです。ズボンとパンツを脱がされて、細い先のバラバラになった革鞭で、尻を滅茶苦茶に叩かれながらの、一物への玩弄。痛みがいつの間にか耐えられないような快楽に変わってゆく不思議さ。私の男性は、もう噴き上げんばかりに怒張していましだ。それに対する責めは一段と素晴らしいものです。つねり、噛り。ひっかき、握りしめ、こすり、こすり上げ、それが紫色に変色しても仲々許してはくれません。
「ママ、いい気持ち、いかせて下さい」
「まだ駄日よ、私の所へ来て、自分だけいい思いをしようったって、そうは問屋が下ろさないよ。お金はいくら持ってるの?」
「今夜の稼ぎが、全部で二万四千円です」
「それじゃ二万円だけ置いてゆきな」
「かしこまりました、いかせて下さい」
「これから私の専属流しの奴隷になるか、それなら許してやるぞ」
「なります、あっ、痛い、きーっ」
ママのとがった爪が、遂に私のぺニスの皮膚の最も薄い部分を突き破り、鮮血がにじみ出て来たようです。
「いいか、毎晩今頃、その夜の稼ぎを持ってここへおいで。そうしたら又、苛めてやるから」
「はい、必ず来ます」
白魚の指が、塩をすくってペニスの傷の部分にすりこみます。これは強烈な拷問でした。私は最後に白濁した液体を激しく噴き上げました。やっと手錠をはずされた私は、崩れるように床の上に転がりました。全く新宿の夜は怖ろしい。その時はまだそんな気持ちが強い位でした。でも、その後のママは、まるで天女のように優しいのです。血の滲んだ私のペニスに、そっとオロナイン軟膏をつけてくれ、まだビンビンしているそれに自い包帯を巧みに巻きつけてくれました。そんな風にいじられていると、一時の射精で治まっていたものが又、再びむくむくと力を発揮して来て、たまらない気分になって来ます。他のホステス達も、ママの手伝いをして、私のそれをいじったり、撫でたりして面白がってするものですから、全く妙な感じでした。
ママが最後に言いました。
「よし。今日はそれで帰ってよろしい、奴隷の挨拶だ、ここヘキスしてゆきな」
前割れになっているスカートをさっと左右へ開くと眩しいばかりの白い太股が現われます。私は夢中になって、その部分へ口づけし、更に上の方へと唇を移動してゆきます。じゃりっと濃い陰毛が、私の鼻孔を刺戟します。ママはパンティを穿いていないのだとうことに気づきました。柔かい皮肉の谷問に、チュッとお別れのキスをしました。ママは私の耳をぐいと引くと、
「はい、そこまでよ、お帰り」
ピシャ! 最後のサービスでしょうか、軽い頬打ちで終わりでした。私は蹌踉として店を出ると、暗い新宿の裏通りを熱い浮かされたような気分になって歩きました。売り上げはほとんどとられてしまいましたが、そんなことは全然気になりません。ただ千春という美しいママの面影だけが、瞼の奥にちらちらとゆらめいているのです。もう何時頃になるのでしょうか。かすむような夜空の彼方に、暁の明星が、恰も夜の新宿女王星のようにきらめいているのが見えました。そのビルから百米も離れていたでしょうか。私は暗い路上に男の人が倒れているのに気がつきました。酔っぱらいかなと思って、無視して行こうかと思って近づいて、ちらっと見ますと、何と先刻クィーンのママとプレイをしていた男の人ではないですか。
「もしもし、こんな所で寝ていると、風邪をひきますよ」
私がそんなことを言って、起こしにかかると、男の人の頭がぐらっと下り、その人が死んでいるのが判ったのです。私は悲鳴をあげると今一度、クイーンに引き返して、急を告げたわけです」



5.殺人容疑
 弁護人側の証人、氷川順一の証言が終わると検事が再び立ち上がり、諭告をはじめた。
「弁護人は、私が殺人の可能性もあるという発言をした点を取り上げ、裁判官に予見を与えるものであると主張しましたが、次のような事実がある点に留意して頂きたいのです。それは被害者増山謙治が、受取人を浅野千春とした三千万円の生命保険に入っている点であります。バー内至クラブのママと客との関係ではこの生命保険はちょっと異常ではないでしょうか。これは被告が、増山の内縁の女であるとか、経済的に大きく依存していたとか言うならうなずけます。しかし先程からの証言にもありますように、二人の関係はそんなものではありません。増山謙治は半年程前に、この生命保険に加入し、毎月掛金を払っております。自分の本当の家族には内緒で……まあ、あるいは、増山は被告に対して、ある種の愛情を抱いていたのかも知れない。しかしこの金が確実に千春の手に入るためには、増山は何らかの形で死ななければならない。いわゆる動機の面からは、被告に増山謙治を殺害する理由が絶無とは言えないのです。先程の弁護人側証人、氷川順一氏の証言は大へん興味深く拝聴しました。SMプレイと言う異常な遊びについても、細かに述べられて参考になったことを申し上げておきましょう。ただし彼の証言は、いわば両刀の剣だと思うのです。あの証言の中にも、千春の殺意を裏付けるような所が二、三ヵ所ありました。先ず第一点は、証人が物蔭から見ていた時の二人の行為は、恰もやくざのリンチのように思われたと言っている点です。被害者の両手両足を縛って、顔半分が血だらけになる程の殴打と言うのは、プレイと言えるでしょうか。プレイの線を逸脱しているのではないでしょうか。第二点は、千春が「今夜は生命だけは助けてやる。その代わりこうしてやるわ」と言っている箇所です。その時は生命までは奪おうとしなかったかも知れませんが、次の機会にはやるつもりではなかったのか。第三点は、この行為を目撃した証人がクラブに入って来て歌を歌った後に干春が「お前見たんだね」と言って証人に迫って来たと言う所です。これは殺人現場か、それに類似の行為をしている所を見られた人間の吐く台詞ではないでしょうか。少なくとも、被告浅野千春にとっては、被害者の死が、病死とか事故死とかである限り、三千万円の金が入ることは事実であります。自分が増山を殺したと言うことが立証されない限り」
「異議があります」木山弁護士が立ち上がった。
「検事は、証人の不確かな片言雙句を捕えて被告が恰も殺人を犯したかのような幻影を撒こうとしています。このような問題は証拠でもって立証すべきであって、証人の発言の一部を取り出し脆弁を弄するが如き行為は慎しまねばなりません」
「弁護人の異議を認めます」裁判長が発言した。
「判りました。証人発言の引用の部分は、削除して結構です。しかし生命保険加入証書は、証拠物件として提出します」
「結構でしょう」
裁判長は、重々しく答えた。



6.奴隷契約者

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 被告浅野千春自身が、証人台に立って証言する日がやってきた。
大柄の花模様のついたハワイのムウムウのような長いドレスを着て美しく化粧した彼女が証人台に立つと、不粋な裁判所の中がパッと花が咲いたように明るくなる。
「検事さんは、生命保険の受取人に私がなっていることが、客とママの関係では異常だとか不自然だとか言われましたが、これはマゾヒストの心理を全然理解されていない所からくる誤解ですよ。一般的にマゾヒストの性向ある人は、その対象となる女性、つまり彼の女王様でありますが、その人の為に生命でも財産でも総てを捧げて奉仕しようとします。私のクラブに来る客は、殆んどすべてがこのマゾヒスト達です。あの人達は、女王である私の為に何でもしようとします。仮りにの話ですが、もし私が銀行強盗をやれと命令すれば、彼らはためらわず強盗をするでしょう。生命保険なぞは、私が何も言わなくても、私を受取人にして入る人が多いのです。増山さんも、そのことを私に話していたことを記憶しています。この保険料を毎月痛い思いをして払うことで、ある種の被虐的快感を得ていたのではないでしょうか。でもその保険金目当てに私がその人を殺すなんて……。あまりひどい仰有りようです。私はそんなにお金に不自由していません。私のために、自分の財産を全部提供するから、奴隷にして欲しいって男が、沢山いるのよ。あら。ほんとですよ。私はその人達が気の毒だし、家族持ちであればなおのこと、家族が可哀想でしょう。だから笑って、そのうちに頂くわ……なんて言ってるんだけど、人を殺してお金を奪う位なら、その人達に命令するわよ。Aさんからは三千万円、Bさんには千万円と言うふうに割当てていけば、一億円位わけなく集まるわ。もっと打ち明けた話をするとね、私はその人達と、奴隷契約と言うのを交わしているの。ここに増山さんのがあるから読み上げてみるわね。



  。奴隷契約書。
 私、増山謙治は、浅野千春様を生涯の女王様として崇拝し、尊敬致しますと共に、私の生命・財産の総てを女王様の膝下に捧呈するものであります。
 浅野千春様は、その気まぐれのおもむくままに、増山謙治を打ち撲り足蹴にし、鞭打つことが出来ます。又女王様は奴隷の体を傷つけ殺すことも自由であります。この行為に対して私は一切の損害賠償等の権利を放棄するものです。
 又この契約は、奴隷増山謙治の側から解除することは出来ないが女王浅野千春はいつ、いかなる理由によっても、契約の解除をすることが出来る。又この契約付きのまま、他の女性に転売することも可能であります。
  右契約致します。
  昭和○年○月○日
                     奴隷増山謙治
  浅野千春女王様                     



 というわけなの。ですから私はこの自分の所有物である奴隷を殺して、お金を盗ったり、それがばれて刑務所入りしたりする必要は全くないわけ……。おわかりでしょう?当日のことは、証人で出た流しの順ちゃんが事こまかに述べてられたその通りよ。私はあの日生理だったので、あんまりプレイに気が進まなかったの。でも増山の奴があんまり頼むので、軽罹くプレってやったのよ。それで彼の血圧が上がって、死んでしまうなんて夢にも思わなかったわ。私とプレイをしている間は、普段と全く変わりなかったのよ。終わってからも、一寸ふらふらしているように見えたんだけど、ちゃんと一人で歩いて帰っていったんだもの。その後で死んだって……、私そこまで面倒見きれないわ、責任持てないって感じ。お前が激しいプレイをしたからだって言われればそうかなと思うけど、一人でマラソンしてたって起こる症状じゃないのかしら。たまたま激しい運動の相手が私だったと言うだけで、罰を受けなければいけないんですか。プレイの最中に死んだんならまだしも、終って帰途について、百米位歩いてからでしょう。順ちゃんが大きな声で、お店に飛び込んできた時は、本当にびっくりしたわ。遊びは遊びとして、私増山さんを本当にお気の毒だと思います。私にとってはいいお客さんでしたし、私も一寸あの人に惚れてました。年は親娘程も違ってますけど、自分を慕ってくれる男奴隷って、可愛いもんですよ。あんないい奴隷が死んじやうなんて悲しいわ」



7.糞便愛好症



「検事、反対訊問をどうぞ」
裁判長に促されて、検事が立ち上がった。
「当夜のSMプレイと称する貴女がた二人の行為について、もう少し萎しく聞きたいのです」
「どうぞ」
胸をそらした千春の姿は、自信に満ち溢れていた。
「貴女はプレイの最終段階で、増山に貴女の尿を飲ませるために放尿したと言われていますが、本当ですか?」
「その通りです」
「通常、人のきたながるものを、その種の男たちは愛好するものですか」
「マゾヒストの八十%は、女性の尿の愛好者だと言う人がいますけど、私もそう思うわ」
「貴女は、今までに何人位の男性に、貴女自身の尿を飲ませましたか」
「二百人位かなあ……」
「それは、男に要望されてですか。それ共、貴女の方から持ちかけましたか」
「男が泣いて頼むからよ。私だって最初は嫌だったわ。でもねえ、段々馴れてきたから」
「現在は、尿を男に飲ませることで、貴女自身が快感を感じるのですか」
「そんな質問にまで答えなきゃいけないのかしら。公開の席で行き過ぎだと思うわ」
「いや、大事な点なのです」
「今は感じるわね、すっきりするわよ」
「そもそも貴女がこの道へ入られた動機と言うか、きっかけは何ですか」
「好きだったからでしょうね。始めは面白半分に、男に私の足を舐めさせてやったのよ。その時、予想もしなかったのに、そくぞくするような快感を感じたのよね。男を苛めるって面白いものだなあって思ったわ」
「では、より具体的な質問ですが、増山に貴女の尿を飲ませる時、貴女は彼のロに自分の下半身を密着させましたか、それ共少し離れた位置から放尿しましたか」
「よく覚えてないんだけど。多分十糎位離れてたと思うわ。いつもは脇にこぼれないように、ぴったりとロと私の下のロとを密着させておしっこをするわけ。でもあの時は、増山の顔に血がついていたから、気持ち悪くって、それに血を洗い流してやろうなんて考えてたから……」
「その尿が、彼の鼻の孔などから気管支に入って、窒息死したとは考えられませんか」
「でも、いつもやってることよ。彼以外にも、多勢いるし、一人もその為に窒息した人なんかいません」
「今のは尿、つまりおしっこの話ですが、大きいほう、つまり大便ですね、それを食べさせることがありますか」
「話には聞いたことがあるわ。でも私はやりません。客に頼まれることもあるけど、それだけはやらないの。スカトロジイーも次から次とエスカレートして、きりがないもの。私はおしっこまでにしてるの。やる女性もいるかも知れなくってよ。でも私はやらない」
「その夜、増山は、貴女に大きいほうを食べさせてくれって、頼んだんじゃありませんか。もう一度、ここの所をはっきり答えて下さい」
「いいえ、でも何故検事さんは、そんなことを私に聞くんですか」
「解剖所見によると、被害者の胃の中に、それらしきものが散見されるのです。貴女は嘘をついているのじゃないですか」
「信じられませんわ、そんなことって……。私とのプレイが終わって、増山さんが死ぬまでの間に、ロの中へ入れられたとしか考えられないわ。でも……どうして」
「反対訊問を終わります」
千春は証人席から退場する時、一寸ふらふらとよろけた。
自信あり気だった顔が、少し青ざめているように見えたのは、光線のせい
ばかりではないようだった。
木山弁護士が立ち上がって、弁論を開始した。
「只今の検事の反対訊問は、大へん興味探い点を含んでいるように思われます。被害者、増山謙治は強度のマゾヒストであることは、以前からの証言で明らかな通りでありますが、彼は更にスカトロジストでありウラゴロジストであることが判ります。スカトロジィーとは、汚物愛好症と訳し、ウラゴロジィーは、糞便愛好症のことであります。この二つは同じようでありながら異なっています。女性の尿の愛好者が、必ずしも糞便愛好者であるとは限らないのです。いやむしろ、この両者は全く別の種類に属すると言っていいでしょう。大体マゾヒズムの各種傾向は、人それぞれによって極端に異なります。ある人は強烈なパンティ愛好者であり、ある人は女の髪の毛のフェチミストである場合もあります。ある人にとっては、女の汚れたパンティが宝物のように見えても他の人にとっては単なる汚れ物に過ぎず、その人が髪の毛に魅かれても、他の人には何でもないのです。つまり先程からの証言のように、浅野千春は尿までは許しても、糞便までは絶対に与えていないのです。そこに画然として区別があるのが、この世界の常識であると聞きます。所が被容者の胃の中には、それらしきものが存在した。これは何を意味するか。つまり被害者の死の原因は、千春によるSMプレイではないことの何よりの証明なのであります。増山謙治は、千春のおしっこを飲んだ後に他の女性の糞便を食したか、あるいは地面に落ちていたその種のものをロにしたか。そしてそのショックが、彼の血圧を上げ、心臓機能を止めてしまった原因なのです。本件は、アブノーマルな世界に起きた、アブノーマルな事件であります。それ故にこの世界のことに通じていないと、この種事件の鍵を解くことは出来ません。少なくとも本件に関する限り、増山謙治の死に対して、浅野千春は全く責任がない。つまり、無罪であることを強く訴えたい次第です」



8.花びらの芳香

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 約一ヵ月後に、この事件の判決が出た。
浅野千毒に対し、検事は過失致死罪を適用し、懲役二年を求刑したが、裁判官は結局弁護士の最終弁論に動かされたのか、無罪をいい渡した。
検事側もあえて控訴をしなかったので、無罪が確定し、千春は釈放され、再びクィーンのママとして返り咲いた。
一夜、千春は木山弁護士や、証人として出廷してくれた氷川順一、それに店の女達だけで、無罪放免祝いを開いた。
「木山先生、色々お世話になりました。ほんと、一時はどうなることかと思ったわ」
「いや無罪でよかった。まあ検事求刑のように、二年としても執行猶予三年はつくだろうから、たいしたことはないけどね」
「でも無罪とは、大へんな違いだわ。でも先生、この世界のことおくわしいのね、驚いたわ」
「勉強したんだよ。必死になって」
「本当は、そのけがあるんじゃないの、お礼に苛めてあげてもいいわよ」
女達は、どっと笑った。
「いやあ、私も年だからショック死でも起こして、また今回のむし返しをしては、貴女に悪いから止めておきましょう。
氷川順一が突然、ロを開いた。
「先生、結局あの事件は、ママの責任ではないことが確定したわけだけど、誰か他に犯人がいると言うことになりますか」
「そう言うことになるね。増山に糞便を食べさした人間だね。しかし警察も、もう捜査をしないらしいよ。と言うのも、増山の遺族の方から、これ以上事件を公にしないでほしいと言う強い要望が出されていることと、若し誰かが犯人だと判ったとしても、この種の事件は犯意の立証が非常に困難なのだよ。結局の所、過失致死罪の執行猶予つき位がおちだろう。そうなると警察も検事局もあまり熱心にはなれないと言う所かな」



 クラブのホステスの中に、愛子と言う女がいた。ママの千春が無罪になった理由なぞを聞いているうちに、あるひとつの光景を思い出していた。
それはあの事件のあった夜。勤務時間が午前一時までなので、彼女は帰り仕度をして、雑居ビルの共同トイレへ入り、化粧を直していた。そこへ顔や手足を、血と泥で汚した増山謙治が入って来たのだった。
「あら、マーさん、ひどい愉好、どうしたの?」
「どうもこうもないよ。千春女王様の逆鱗に触れてこの始末さ。参った参った」
「ほんとは嬉しいくせに。でもママも酔っぱらうと。プレイでもえらく力が入るのね」
「凄まじかったね。あんなに激しく苛めてくれたのは、近頃では珍らしいよ」
「マーさんもいい加減年たんだから、程々にしないと、生命保険料をママに差上げることになってしまうわよ」
「そうだね、愛ちゃんの言う通りかも知れない。私も年だから、死ぬことは仕様がないと思ってるよ。でも同じ死ぬのなら、ママや愛ちゃんに苛められながら死にたいよ。それと死ぬ前に、どうしても、したいことがあるの」
「なあに」
「食べたいのよ。女性のあれを……」
「ママに頼めばいいじゃないの」
「ママは、あれだけは食べさしてくれないんだ。愛ちゃん、どうだろう、受ちゃんのを、頼むから食べさしてくれないかしら」
「そうねえ」
「愛ちゃん、以前誰かに食べさしたことがあるって言ったじゃない。お願い。お礼ははずむからさ」
「今? ここで?」
「善は急げって言うでしょう。ここに洋式トイレがあるから、この便器のふたをしたまま、私が口を開けて頭をつけます。愛ちゃん、こう跨がっでやってみて」
「うわあ、きゅうくつ……。いいわ、頑張ってみるけど、出るかどうか判らなくてよ」
愛子の可愛らしい肛門が、彼の眼前にあって蠢めいていた。
それは可憐な梅のつぼみを思わせた。
その辺りから漂ってくる芳香は、正に若い女性のみの持つ、甘い清らかな匂いそのものである。
彼はしばし、その芳香にしびれていた。
そしてたまらなくなって、唇をそっと彼女のアヌスヘと密着させ、舌をその中心部へと挿入していった。
匂いばかりでなく、ここは舌の先端に伝わってくる微妙な味わいが、又何とも言えず素晴しかった。
「愛ちゃん、素晴しい、慎むよ……」
「待って、擽ったいわ。こんな恰好じゃ出るものも出なくなるわ」
すっと彼の舌端が、彼女の体内へ進入して来た。
「あっ!出るわ、出そうよ」
慌てて舌が抜かれた。
梅のつぼみは、大きく開花して中味をストンストンと落下させていった。
それは、女そのものを象徴するかの如く、小さく、美しく可憐な存在だった。
増山謙治は、何の抵抗もなくと言ったら嘘になるが、抵抗を乗り越えて咽を通過させ、自らの胃の方へ送り込んでいった。
味も何も判らなかった。
食べたのだ、これでいい。
永年の夢が果たせたのだ。
もうこれでこの世に思い残すことはない。
地上でやりたいことは、これですべてやりおうせた。
涙が滲み出てきて目尻にたまり、つうっと一本の線となって落下していった。
「マーさん、何してんの。後始末をちゃんとして……」
夢から覚めたように、彼は愛子のアヌスの周囲の汚れを舐めとって綺麗にした。
「もういいわ」
カラカラとトイレットペーパーをとると、愛子は自分でアヌスを拭き、その紙を捨てょうとしたが、便器のふたがしまっていて、その上に彼の顔があり、捨てる場所がないので謙治の口の中へぎゅうっとつめ込んだ。
「私、先に行くわ。じゃね、バイバーイ」
愛子の回想恕は、そこまでだった。
それから後は、彼女自身も知らない。
しかし胃の中味の問題で、警察が動くとすれば心配だったが、もはやそう心配することもないようだ。
只このことは、今の所殆んど増山謙治と愛子以外は誰も知らないらしい。
黙っていよう、そう思った。
食べたことによるショック死なのかも知れない。
あるいは疲労からくる心筋梗塞かも知れなかった。
でもすべては終わっている。死んだ増山謙治も幸福の絶頂で死んでいったようなものである。
浅野千春は、警察の取り調べや裁判で、一寸不愉快な思いはしたかも知れないが、でもそのおかげで生命保険三千万円が手に入るのだ。
自分は何もない。
しかし言い出すことによるマイナスを考えたら、黙っているに越したことはない。
愛子は自分のアススを、増山謙治の舌がペロッと舐めたような幻覚を感じて、キュッと肛門に力を入れて締めてみた。
9.女王星の詩



 宴はたけなわになって来た。
木山弁護士も酔う程に正体を現わして来て、床に坐り千春ママの裸の足をチュウチュウと吸っている。
「こらっ、悪徳弁護士。弁護料の代わりに苛めてやるから、一生懸命女王様の足を舐めるんだぞ」
千春も酔ってきて、ろれつの回らぬ舌で、木山弁誕士をなぶっている。
流しの順一は、何だか寂しくなって来た。
それはあまり酒の呑めない彼が一人皆の雰囲気に入れなくて寂しいと言うのでなく、殆ん
ど増山謙治の性癖のことを考え、千春ママのことを思い、今彼女の足を舐めている木山弁護士のことを見ると、人間と言うものの持つ業のようなものを感じて、寂しい気がするのであった。
彼は愛用のギターを取り上げると、即興のようにロをついて出てくる詩にメロディーをつけて歌ってみた。



 雨が降ります 今宵また
 ぺーブメソトが濡れてます
 濡れた心にうつる灯よ
 朱い唇 白い指
 思うお方は 只一人
 ああ 夜の新宿女王星



 酒も飲みます 今宵また
 そぞろ涙もこぼします
 暗い夜道をとぼとぼと
 家路をたどる胸のうち
 思うお方は 只一人
 ああ 夜の新宿女王星



ギターをボロンボロンやっているうちに、ひとりでに曲の方がついてくる。
「あら、順ちゃん、いい歌じゃない。誰の歌? あまり聞いたことないみたい」
「僕が今つくったんです。増山さんのことを考えていたら、自然に出て来ちゃって」
座が一寸白けたようになって、皆がシーンと静まり返った中を、又彼のギターがボロンボロンと鳴り出した。
新宿の夜は、まだ始まったばかりである。



おわり

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